《非破壊検査》とは?
非破壊検査って何?
「非破壊検査」とは、調査するものを壊さずに、その品質や状態を調べる業務・技術のことで、主な検査対象としては、発電所・プラント・貯蔵タンク・橋梁・ビル・船舶・鉄道・航空機・地下埋設物などなど、様々な種類に及びます。
このような建物や構造物は、設計図があり、それに基づいた資材を使い、様々な工程を経て作られます。
非破壊検査は、
●その製造過程での異物混入、資材のキズ
●完成後、利用している段階で起こる経年劣化(サビやキズ)
などによって、構造物の故障や破損、またそれに伴う事故を未然に防ぐ事を目的としており、具体的には
●製造中や使用中の構造物の品質保証と管理
●構造物の寿命予測
などを検査・評価します。
その結果としてご利用になる方や現場従事者の安全を守る、大変重要で「必ず必要となる」検査なのです。
非破壊検査の主な業務
放射線透過試験
エックス線またはガンマ線と呼ばれる透過力の強い放射線を利用して、建物や材料・構造物の内部のキズの検出・調査などを行います。
エックス線フィルムを使用し、放射線の透過線量の差を透過写真上の濃度差として、キズを検出するという「直接撮影法」が一般的です。エックス線フィルムによってキズの像の永久的記録が得られ、キズの種類と形の判断が出来るなど、優れた特徴を持っていますが、安全管理として試験施工者の放射線障害管理は十分に行わなければなりません。
超音波探傷試験
「超音波」は、人間の耳では聞き取れない周波数の高い音のことです。
超音波が金属のような物質の中を伝播する時は、指向性の鋭い音の束となって伝わります。また、異なる物質または空隙との境界では、反射する性質があります。このような超音波の性質を活かして検査対象物内部のキズを見つけ出し、その大きさと場所を特定する検査を「超音波探傷検査」といいます。
また、超音波を使う検査としては他に、ノギスなどでは測定できない部分の厚さを、超音波の反射時間から導き出す「超音波厚さ測定」もあります。
磁粉探傷試験
鉄鋼資材などの磁性体に磁束を流すと、表面または表層部にあるきずによって磁束が漏洩し、小さな磁極が形成されます。磁粉を検査対象物の試験面に散布するとキズ部分に吸着されて、実際の幅より大きくなった磁粉模様ができるので、そこからキズを検出できます。検査対象物が磁性体でないと検査ができませんが、検査対象物の表面近くに存在する割れのようなキズの検出に最も優れた非破壊検査方法です。
浸透探傷試験
この試験は液体の毛細管現象を利用した検査です。
検査対象物にある幅の狭い、または小さな径のキズの中に赤や黄緑色の蛍光液体を染み込ませます。
次に白い微粉末の塗膜を作ると、キズの中に染み込んだ液体は吸い出されて塗膜中に広がって、実際のキズより大きくなった指示模様ができます。検査対象物の表面にできたキズのみ対象となる検査ですが、多孔質な材料を除けば、ほとんどすべての検査対象物に適用できます。